Stay Small | Kunihiro TAKEDA

#22 自分軸とビジネス

SNSはビジネスになくてはならないものだが、距離感を見誤ると大変だ。思うことがあり、少し前にこんな話をnoteに投稿した。いろいろ書いたが、自分にも世間にも誠実に向き合うことが大切ではないかという実感を記したものだ。

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自分にも世間にも誠実に向き合うための前提は自分軸を持つことだろう。そして、他者も持つその軸との差異を認めることだ。では自分軸をどうやって作ればいいのだろう?

それを突き詰めると自分の人生観にたどり着く。

自分が何に関心を持ち、何を経験し、何を教訓として学び、その上で自分の信念として何を選ぶかという問いから作られるものだろう。

自ら意図的に積み上げた、あるいは意図せず積み上げたレンガのようなもので、年を重ねることに厚みを増していく。それは実践だけでなく、どのような人と交わり、どのような本を読んできたかも大きく関わる。

その一歩目は自分の好奇心だと思う。たとえ、その過程で思いもよらないイベントが出現したとしても。


自分軸を作るというのは、独立事業者でも重要なことだろう。それは仕事観といった方がわかりやすかもしれない。

仕事において何を大切にするのか。自分の強みをどう発揮して社会に貢献したいのか。何にやりがいを感じるのか。避けたいことは何か。

一方、ハーミニア・イバーラはその著書でキャリアアイデンティティは変わるものだといった。唯一の正解があるのではなく、いろいろな可能性の中から選択するものだという。

確かに、年代や職種によってアイデンティティは変化してきた気がする。

たとえば、SE時代はプロダクトを成長させることを第一優先とし、市場ニーズの先読みに醍醐味を感じていた。また品質問題を根本的にたたくために、自分の中でがっちりとした方法論を作り上げていた。これらをA4で100ページ以上のドキュメントに残したが、それは普遍的なものだと思っていた。今でもこのドキュメントは読まれることがあるらしい。

ところが、研究職に転身してみると全く歯が立たない状況に陥った。新しい職場では、問いを追求して無形の技術を開発することが求められたが、それには過去の経験が全く役に立たず、リセットする必要があった。単にスキルが足りる足りないの話だけではなく、仕事に対するスタンスも大きく変える必要があった。つまり、キャリアアイデンティティの転換が求められたのである。

そして今、データサイエンティスト経験を元に独立活動をしているが、もちろんアイデンティティの変化は起きている。


それでは、自分軸はキャリアアイデンティティのようにコロコロ変わるものなのだろうか?

変わる部分もあるがそうでないものもある、というのが今の私の考え。

変わるのは何らかの判断基準や問題の捉え方、コミュニケーションのスタンスなどだろう。また、発揮すべきスキルも職種によって変わってくるはずだ。

一方、仕事において大切に感じていること、仕事の対価として求めること、あるいは無意識に発揮している強みは変わらないのかもしれない。それが軸の中核に位置しているのだろう。

では今の自分軸の中心には何があるのか。

まず思い浮かぶのが「三方良し」だ。近江商人のことばで、買い手・売り手・世間ともに満足するビジネスをせよということだ。ビジネスは買い手と売り手がWin-Winにならなくてはならないし、世間様に迷惑をかけるものであってもいけないと考えている。「初めての仕事、初めての上司」の存在が大きい。

次に思い浮かぶのが「技術は人の役に立ってこそ価値がある」という考え方だ。言い換えると、技術ドリブンでなく課題ドリブンで技術を使うべきだという信念を持っている。技術によって世の中が便利になることに楽しさを感じているのであって、技術そのものを作ることにはあまり関心がない。おそらくだが、小学生の頃に読み漁った「よいパソコン 悪いパソコン」の影響がまずあって、その後の先端技術ビジネスの経験がそれを色濃くしたのだと思う。

仕事を離れて考えてみると、「諸行無常」というワードがでてきた。心のどこかでいい時も悪い時も続かないものだ、と考えている節がある。それはプロジェクトや日常生活といった自分にかかわることだけでなく、企業や製品、国家なども含まれる。栄枯盛衰。自己組織化とエントロピーの拡大のサイクルといってよいかもしれない。

誠実であること」も忘れてはならない。これは家族や取引先だけでなく、自分自身も含まれる。自分の倫理観や価値観に反したことをしてもパフォーマンスは上がらないし、たいてい碌なことにならない。相手にも自分にも嘘をついて仕事をしても上手くいかないものだ。単に不器用なだけかもしれない。

そして、仕事の話に立ち返ると「アウトプットに対して自分自身で何かしらの工夫をする」ことを楽しみにしている。それは世界に一撃を与えるような大きなものではなく、クライアントとの会話や日々の業務課題の解決など、日常的な活動での工夫だ。そしてわがままかもしれないが、仕事には「自分の頭であれこれアイデアを考えて試す」という要素が入っていなくてはならないようだ。工夫すること自体をNoと言われるような仕事や生活になったら、自然にその場を離れる自信があるし、実際にそうしてきた。


考え続ければもっと出てくるかもしれないが、ひとまずこんなところだろうか。まとめるてカテゴライズしてみると・・・

こう考えてみると、新人の頃からあまり変わっていない気もする。

これからもこの軸にあうビジネスを作っていこう。