Stay Small | Kunihiro TAKEDA

#18 真っ白なキャンバス

会社員から独立をした直後はサラリーマン時代のしがらみがなくなって自由になった気がするのだが、あっという間に「この先どうしたらよいのだろう?」という不安が襲ってくる。これは通過儀礼のようなものともいえるし、自営業者が常に直面する日常的な問いであるともいえる。


小学校や中学校に通っているときは「早く休みにならないかな」と考えながら通学していたし、高校のときは「早く受験を終わらせたい」と思っていた。大学時代は自由と学問がちょうどよい塩梅でミックスしていたような気がする。

そして社会人になって新人研修が始まる。しばらくはピリピリしながらも緩さを感じていたものだが、実践型研修の佳境に入ると「残業」をすることになった。最終報告前には独身寮で徹夜をしたほどだった。その後、配属が決まってしばらくすると、終電帰りと休日出勤が常態化していった。

こんな感じで、学校に通い始めてから会社に勤める生活に至って、常に外部からの制約や要求に答えるという生活を送っていたことになる。

学生時代に学科や研究室を選択したり、社会人になってからはキャリアを選択したりと、何かしら自分で選択してきたという感覚はある。しかし、それはいくつかの選択肢からチョイスすることであるとか、あるいは、組織からの要請の中で考えるというものであった。つまり、真っ白なキャンバスに絵を描くというものではなかったのである。

独立すると、突如目の前に真っ白なキャンバスが出現する。独立前からその白いキャンバスはちらっと見えていたのかもしれないが、それがどんとやってくると得も言われぬ迫力がある。そして、筆をとって意気揚々と何かを描き始めるのだが、うまくかけた気がしないし、それを客観的に評価してくれる人もいない。不器用に何かを描いて歩き出して思いのほかよい結果が得られたとしても、ふと立ち止まってキャンバスを見ていると、希望と不安が交互にやってくるように感じる。

独立者であれば、このような感覚を持ったことがあるのではなかろうか。もしくは会社を務めあげて定年した後にはこうした気持ちになるのかもしれない。そう考えると、不安ながらも早めに踏み出せたことはよかったのだろう。


さて、こうした感覚があることを前提に一歩引いて世の中を眺めてみると、こうした不安を解消するサービスやプロダクトがあることに気づく。例えばコーチングサービスはその筆頭だろう。その他、ビジネス交流イベントや起業支援コンサルティング、セミナーもある。LinkedInに代表されるビジネスSNSも然り。

さらに考えていくと、真っ白なキャンバスに枠を付ける仕事があることに気づいた。いわゆるビジネスフレームワークである。3C、5force、マーケティング4P、バリューチェーンなどの枠組みが古より存在しているが、それに加えてビジネスモデルキャンバスやバリュープロポジションキャンバスなどここ数年で登場して定着したものもある。さらに目を凝らしてみてみると、いろいろな人がいろいろな理論を提唱している。これらはすべて、真っ白なキャンバスを目の前にして不安になっている人にとってはよいガイドになる。それは独立者に限らない。

ここに何かのヒントがあるように感じた。自分が過去に悩んだことやクライアントに質問されたことなどを起点として、フレームを作れないだろうか。もしできたとしたら、それはとても狭いニーズかもしれないけども、誰かの役に立つのかもしれない。


そんなことを思い立ち、過去の知見をフレームとしてまとめ始めました。

データドリブン経営で取り組むべき4つの方向性 (ビジネスデータ活用マップ)

データを業務に活かすためのデータ分析デザインフレームワーク TIHAM